重症アレルギー性角結膜炎は結膜の強い炎症や線維化を主体とする難治性の疾患であるが、その機序は不明である。申請者はこれまでに患者由来の結膜線維芽細胞に着目し、遺伝子発現パターンを比較解析したところ、患者由来結膜線維芽細胞ではペリオスチン遺伝子が無刺激状態において有意に高発現し、継代培養後にも発現が維持されることを見出している。本研究では、患者由来結膜線維芽細胞のペリオスチンのプロモーターにおいて、ヒストンのメチル化状態の変化が起こっていること、さらにTGF-βが長時間ペリオスチンを発現誘導しうることを確認した。よって、ペリオスチン発現誘導にエピジェネティック制御機構が関与することが示唆された。
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