研究課題/領域番号 |
15K20304
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
高橋 正貴 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (10626766)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | リンパ管腫 / リンパ管内皮細胞 / OK-432 / ブレオマイシン |
研究実績の概要 |
我々は10年程前からヒトリンパ管腫由来リンパ管内皮細胞HL-LECの培養の確立を行い、不死化細胞の作成に成功した。この細胞株をもとにして臨床的に使用されている薬剤の有効性と作用機序を確認している。とりわけin vitroでの免疫応答を介さない直接効果について、有効な時間、有効な濃度を調査中である。特にOK-432とブレオマイシンは濃度依存性に、HL-LECに直接作用を示す事が示唆されている。OK-432は細胞にすぐに作用して減少効果を示すが、ブレオマイシンはある程度時間が経過した後に作用する可能性が示されている。また、これらの濃度による周囲の正常な組織に対する影響を調査中である。 蛍光不死化細胞のモデルマウスを研究協力者はが作成中であり、これが完成すれば、今度はin vivoでの経時的な効果を検証できる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画書通りに進行している
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今後の研究の推進方策 |
リンパ管腫病変のコンポーネントとして大きく分けてリンパ管内皮細胞、及び病変を取り巻く間質系細胞とがあるが、病変の発生・維持・増大において間質系細胞の影響が大きい事が予想される。今後は、ヒトリンパ管腫由来の初代培養から得られた間質細胞や正常な血管内皮細胞についても細胞生物学的な動向を検討する。それと同時に、これらの薬剤感受性を調べる。
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次年度使用額が生じた理由 |
既に以前から保有していた薬剤や抗体などの試薬を本研究に用いたため、2015年度の物品費用はほとんどかからなかった。今年度は、pureなリンパ管腫由来リンパ管内皮細胞が良いタイミングで増殖しなかったためgenechipによる解析を行うことができなかった。
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次年度使用額の使用計画 |
今後は、薬剤・抗体・RT-PCR用の試薬を購入する必要がある。また、薬剤による変化をみるため、genechipの解析を行う経費を要する。正常な部位への薬剤の影響を調べるために正常新生児血管内皮細胞の購入を予定する。また、今後はin vivoでの検討を行うためにマウスの購入を予定している。これらの成果は今後、国際学会で発表し、英語論文にする。未使用額はその経費に充てる事としたい。
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