体内を培養場として任意の形状の移植用組織体をつくる「生体内組織形成術(IBTA)」にて、生体と同等の機能性を有する自己組織由来の心臓弁様組織体(バイオバルブ)を開発してきた。新たな医療デバイスとして、生まれつき心臓弁がなく早急に心臓代用弁が必要となる小児の肺動脈疾患に着目した。生体内の治癒プロセスに基づいたカプセル化反応を利用するIBTAでは、皮下に埋入した基材表面で形成される組織の厚さは小型になるほど薄くなり組織強度が低下する問題をもっていたが、本研究では小口径バイオバルブについて、容易かつ十分な強度を付与できる組織形成制御を可能とし、生体弁に類似した機能性を示した。
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