研究課題/領域番号 |
15K20308
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
親松 宏 新潟大学, 医歯学総合病院, 特任助教 (70748607)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 末梢神経再生 / マイクロサージェリー |
研究実績の概要 |
末梢神経損傷がおこったあとにおこる神経再生の際に軸索がどのように伸長するか、また、どのようなかたちで剪定・整理されていくかという経時的な形態学的変化を末梢神経のホールマウント標本を用いて、より三次元的に様々な角度から観察することを目標に実験を開始した。 平成27年度は神経未損傷モデルを用いて抗ニューロフィラメント交代で免疫染色を行い、バックグラウンドを極力排除したホールマウント標本を作成することを目標とした。そののち、抗リン酸化GAP-43抗体でも同夜に免疫染色を行い、ホールマウント標本を作成することを目指した。 ラットを灌流固定した後に前肢の神経を採取し、さらに後固定を行い、抗ニューロフィラメント抗体で免疫染色を行い、DAB発色させた。軸索を抗体で検出させることは十分可能であったが、同時にバックグラウンドが非常に強く出てしまい、標本全体がDABに染まり、十分な観察ができない状況であった。抗体との反応時間、発色剤の反応時間、洗浄方法、など各工程を再確認しながら試行錯誤を重ねたが、やはりバックグラウンドの問題が克服できない状態であった。そのため、27年度は標本を透徹する段階までを計画していたが、達成はできなかった。 しかし、バックグラウンドの問題を除けば、末梢神経のホールマウント標本を内部まで免疫染色できることがわかった。末梢神経は脂質成分に囲まれているため、抗体が内部まで浸透するのが難しいことが多いが、固定法や処理方法により抗体の浸透をより良くすることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
神経ホールマウントモデルの免疫染色を行ったが、バックグラウンドが非常に強く出てしまい、検出したい部分の染色との判別が困難な状態となった。染色時間、洗浄方法などを試行錯誤したがやはり全体がDABに染まってしまう状態となってしまった。そのため、標本を透徹する段階には至っていない。
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今後の研究の推進方策 |
今後も試行錯誤を重ね、まずはホールマウント標本でのDAB染色による免疫染色の結果を安定したものする。その後透徹作業を行い、透徹標本を作成する。1種類の抗体で良好な結果を出せたらもう1種類の抗体を用いて免疫染色を行う。その後、神経損傷モデルおよび神経吻合モデルを作成し、解析を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
実験が当初の計画通り進行しなかったために必要な機器、消耗品を必要としなかったため
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次年度使用額の使用計画 |
実験を進め、必要な機器、消耗品の購入に充当する
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