末梢神経再生が起こったときの軸索伸長の変化の様子を形態学的に観察することを目標に実験開始した。 平成27年度は末梢神経損傷モデルを用いて抗ニューロフィラメント抗体で免疫染色し、バックグラウンドを極力排除したホーいるマウント標本を作成する作成することを目標とした。その後、抗リン酸化GAP-43抗体でも同時に免疫染色を行い、ホールマウント標本を作成することを目指した。 ラットを灌流固定した後に前肢の神経を採取し、さらに後固定を行い、抗ニューロフィラメント抗体で免疫染色を行い、DAB発色させた。軸索を抗体で検出することは十分可能であったが、同時にバックグラウンドが非常に強く出てしまい、標本全体がDABに染まり十分な観察ができない状況であった。各種工程・条件を再確認しながら試行錯誤するもやはりバックグラウンドの問題が克服できない状態であった。その為27年度は透徹する段階まで計画していたが達成できなかった。 28年度は各条件の再検討を行ったが、やはり進展しなかった。透徹方法に関してはこれまでグリセリンによる末梢神経の透徹方法を当研究室では行ってきたが、市販の透徹用キットを用いることとした。 29年度は、諸般の理由により実験遂行が困難であり、免疫染色時のバックグラウンドの問題、標本透徹の段階まで行えていない状況である。
|