研究課題/領域番号 |
15K20310
|
研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
小野田 聡 岡山大学, 大学病院, 医員 (00423301)
|
研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
|
キーワード | リンパ管静脈吻合 / 動物実験モデル |
研究実績の概要 |
本研究では、ラットを用いたリンパ管静脈吻合の動物実験モデルを確立し、そのモデルを用いて各種吻合法の比較及び術後の組織学的変化の検討を行うことを目的とする。また、リンパ管静脈吻合の術後経過・変化の検討を通じて理想的なリンパ管静脈吻合術の吻合様式の解明行い、その結果を臨床へフィードバックすることを副次的な目標とする。
計画している具体的研究項目は、1. ラットにおける腰部リンパ管・腸腰静脈を用いたリンパ管静脈吻合モデルの作成 2. 同モデルを用いた各種リンパ管静脈吻合様式における開存率の比較検討 3. 各種吻合法における吻合部及びその周辺部位の組織学的変化の検討である。
今年度は、研究の第1段階としてラットにおけるリンパ管静脈吻合モデルの作成を行った。10例のWistar Ratを用いて、予備実験にて同定したラットの腰部リンパ管、腸腰静脈を剥離、その直径を測定後にリンパ管静脈吻合術を行った。吻合様式としては代表的な吻合様式である端々吻合術を行った。また、これらのリンパ管及び静脈と比較検討を行うために、過去に人体においてリンパ管静脈吻合術を行った28本のリンパ管、静脈とその直径を比較した。その結果、ラットの腰部リンパ管、腸腰静脈は人体におけるリンパ管、静脈と直径や性質が近似しており、リンパ管静脈吻合の動物実験モデルとして有用であることが証明された。この内容はAnnals of Plastic Surgery誌に [Epub ahead of print]をして掲載された。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
作成したラットリンパ管静脈吻合モデルを使用して、術後開存率の検討及び術後変化の詳細が明らかになってきており、当初計画していた実験計画の大部分が消化されてきた。
|
今後の研究の推進方策 |
今後は、実験結果の考察に加えて、明らかになった知見を国内外の各種学会を通じて報告することで研究内容の幅広い普及を行う予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
実験に使用予定であった物品が予想よりも安く購入できたこと、及び予備実験によって本実験の手術手技が早期に安定し使用したラットの数が予想よりも少なかったため。
|
次年度使用額の使用計画 |
来年度、実験動物及び器具の購入や海外学会への参加費に充てる予定。
|