遊離脂肪組織移植におけるHGF遺伝子プラスミドを用いた遺伝子治療の基礎研究として、動物モデルで実験を行った。結果として、移植後3か月で移植遊離脂肪の萎縮率に有意差はなかった。しかしながら、免疫染色による質的評価を行ったところ、HGF遺伝子プラスミド導入群で脂肪細胞の壊死を抑制することが分かってきた。今後、遺伝子解析やタンパク質解析などのさらなる検証が必要であるが、臨床的に移植脂肪の壊死が抑制できれば、遅発性合併症として知られる嚢胞形成や石灰化の予防に繋がる可能性があり、特に乳房における脂肪注入術において、臨床応用が期待できると考えている。
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