本研究の成果は、以前われわれが考案し開発した動物モデルが顔面神経という同種の神経による神経二重支配モデルであったことから発展し、咬筋神経を用いた異種の神経による神経二重支配モデルの作成が可能であることが示された点である。しかし、咬筋神経からの電気刺激を定量的に評価できなかった点は改善する必要があり、今後動画解析ソフトの導入などによってこの問題を解決できる可能性がある。異種の神経二重支配モデルを確立できれば、これまで解明されていない神経二重支配のメカニズムに関する基礎研究が進み、麻痺性疾患に対する筋肉移植による動的再建治療が基礎的知見の裏付けの下で発展する可能性がある。
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