研究実績の概要 |
本研究の目的は、(1)重症敗血症患者の①長期生存率、②長期的な身体、主要臓器および認知機能障害、QOL、③患者や家族の社会的生活の変化を明らかにすること。(2) 長期転帰に関係する急性期から亜急性期、慢性期の臨床的因子、バイオマーカーを明らかにすることである。 平成29年度までに、様々な臨床情報に加えて、バイオマーカー探索のためのサイトカイン、免疫細胞、Alarminsなどの測定を行った。また、退院後の外来では、認知機能(Mini Mental State ExaminationとIQCODE, Short form)、QOL[Short-Form (SF) 36とEuroQOL-5D]、社会生活状況(本人および家族の就業状況の変化、社会福祉サービスの利用など)の検査および調査と、バイオマーカー探索のためのサイトカイン、免疫細胞、Alarminsなどの測定を行った。加えて外来受診ができない患者に対しては、郵送でQOLと社会生活状況を調査した。 平成30年度は計画通りに、平成29年度までに集積した101例の患者情報の解析を行った。解析により、入院から1年後ではQOLのうち特に身体機能が国民標準値に比べて大きく低下していることが明らかになった。これを第46回日本集中治療医学会学術集会で発表した。 臨床情報およびバイオマーカーと重症敗血症患者の長期生存率、身体機能、臓器機能および認知機能、QOLの長期的な問題点と社会復帰状況の関係についての解析を継続して、各問題点に影響を及ぼす急性期から亜急性期、慢性期におよぶ患者背景因子、治療的介入因子、サイトカイン、免疫細胞、Alarminsを含むバイオマーカーを明らかにする予定である。
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