全身侵襲時に腸管機能不全が発症するメカニズムは十分に解明されていない。腸管上皮幹細胞の機能に注目し、このメカニズムの解明を目指した。 まずCLPモデルでは陰窩中の細胞分裂している細胞数に減少傾向が見られた。腸管上皮幹細胞の増殖・分化に関わるシグナルをRT-PCR法で評価したところ、Wnt3、Wntに抑制的に働くBMP4、BMPを阻害するNoggin、Stem cellの未分化性の維持に関与するNotch1はCLP群で24時間後に低下していた。CLP侵襲にてLgr5陽性細胞数も減少していた。CLP侵襲にて腸管上皮幹細胞障害が起こることにより、絨毛萎縮や腸管蠕動不全が生じる可能性がある。
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