研究課題/領域番号 |
15K20356
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
長谷川 智香 北海道大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (50739349)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 石灰化 / 骨芽細胞 / 骨細胞 / TNALP / ENPP1 |
研究実績の概要 |
申請者は、骨芽細胞系細胞がTNALPとENPP1を介したリン酸産生・輸送を調節する機構を明らかにする目的で、骨芽細胞特異的または骨細胞特異的にTNALPまたはENPP1を過剰発現するトランスジェニックマウスを作製し、大腿骨・脛骨における石灰化異常を微細構造学的に解析することを検討した。 本年度は、骨芽細胞に特異的なtypeⅠcollagen a1 promoterにhuman TNALP遺伝子を組み込んだcDNAを作成し、マウス胎仔頭蓋骨より単離した骨芽細胞にこれらの遺伝子を導入して、タンパクの発現を確認した。その結果、human TNALP遺伝子を組み込んだcDNAを導入した骨芽細胞では、TNALPタンパクの過剰発現が確認されたため、同遺伝子をマウス受精卵へmicroinjectionし、胎仔トランスジェニックマウスを作出した。現在、TNALPトランスジェニックマウスの骨組織において組織学的検索を進めている。 さらに、骨芽細胞に特異的なtypeⅠcollagen a1 promoterにhuman ENPP1遺伝子を組み込んだcDNAおよび、骨細胞に特異的なDMP-1 promoterにhuman TNALP遺伝子を組み込んだcDNAの作成を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在、骨芽細胞特異的TNALPトランスジェニックマウスを作出し、その解析を進めている。また同時に、2年次に予定していた骨細胞特異的TNALPトランスジェニックマウス作製に必要なプラスミドの作成を1年目に先駆けて行っている。
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今後の研究の推進方策 |
TNALP マウスについては、骨芽細胞特異的TNALPトランスジェニックマウスの大腿骨および脛骨において脱灰・未脱灰標本を作製し、組織化学的・微細構造学的に検索を行う。基質小胞存在下でTNALPが過剰産生した場合に石灰化が亢進するのか、また石灰化に関与する因子の発現がどのように変化するのか遺伝子解析も合わせて検討する予定である。さらに、石灰化物の構成元素をEDS等の機器を用いて解析する予定である。 一方、骨芽細胞特異的ENPP1トランスジェニックマウス、骨細胞特異的TNALP、ENPP1トランスジェニックマウス作製のためのベクター構築を進め、各種マウスの作製を進めてゆきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成28年3月に納品され,平成28年4月の支払いとなった消耗品があったため。
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次年度使用額の使用計画 |
未使用額は,平成28年3月に納品された消耗品の平成28年4月支払いに充てる。
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