研究実績の概要 |
胎生14,16,18日のマウス切歯歯胚および臼歯歯胚よりtotal RNAを抽出し、RT-PCR法によってCXCR4, CXCR7, CXCL12のmRNAの発現を確認した。その結果、全ての胎齢のマウス歯胚においてCXCR4, CXCR7, CXCL12のmRNAが発現していた。 また、PCRによって得られたマウスCXCR7 cDNA断片を精製し、クローニング用ベクターに挿入した。精製・回収したベクターを使用してDIG標識RNA probeを作成した。CXCR4, CXCR7 mRNAの局在を明らかにするために、胎生14, 16, 18日および生後3日のマウスの頭部サンプルより凍結切片を作成し、in situ hybridization法によりマウス切歯歯胚および臼歯歯胚におけるCXCR4, CXCR7 mRNAの局在を確認した。その結果、両シグナルはエナメル上皮細胞に限局していたものの局在の一部は異なっていた。 さらに蛍光免疫組織化学法により同時期の歯胚についてCXCR4, CXCR7タンパクの局在を確認した。その結果、CXCR4, CXCR7タンパクは mRNAのシグナルとほぼ同一の発現パターンを示した。 CXCL12に結合したCXCR4もしくはCXCR7のそれぞれの異なる2種類の受容体の歯胚由来上皮細胞に対する機能について検索するために、pEF1alpha-DsRed vectorおよびpIRES2-ZsGreen1 vectorにフルレングスのCXCR4もしくはCXCR7 DNAを組み込んだ発現ベクターを作成した。作成した発現ベクターをマウス切歯由来細胞株mHAT9aに遺伝子導入するための最適な条件について検討した。
|