研究課題/領域番号 |
15K20386
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研究機関 | 愛知学院大学 |
研究代表者 |
木瀬 祥貴 愛知学院大学, 歯学部, 助教 (30513197)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 脂肪含有率 / MRI / DIXON法 / 耳下腺 / 顎下腺 / シェーグレン症候群 |
研究実績の概要 |
平成28年度の研究計画は、シェーグレン症候群患者の耳下腺・顎下腺の脂肪含有率をMRIの6 point DIXON法で測定し、サクソンテストとの相関関係を分析することであった。サクソンテストに関しては診療時間の都合上、実施することは難しく行うことはできなかった。代わりに追加項目を設定し、正常者における脂肪含有率と身体的特徴(身長・体重・BMI)及び血液データ(総コレステロール・中性脂肪)との相関関係を分析した。 結果として、耳下腺は脂肪含有率とBMIとの間に正の相関が認められ、顎下腺は脂肪含有率とBMI及び中性脂肪値との間に正の相関が認められた。 次の検討項目は、健常者とシェーグレン症候群患者の耳下腺・顎下腺の脂肪含有率を比較することであった。 結果として、顎下腺ではシェーグレン症候群患者の脂肪含有率は正常者と比較し有意に大きかった。これは、正常者の顎下腺の脂肪含有率は低いが、シェーグレン症候群患者では全体的に急速に脂肪変性が進む為だと考えられた。 耳下腺に関しては脂肪含有率の平均値に有意差はみられなかったが、標準偏差においてはシェーグレン症候群患者と正常者に有意差が認められた。これは、耳下腺の脂肪含有率は、BMIや中性脂肪などにより変動するため、平均値では有意差を認めなかったと考えられた。しかし、シェーグレン症候群患者においては腺破壊・脂肪変性が局在的に進むため、標準偏差には有意差が生じたと考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究に必要な物品を購入することができた。 健常者とシェーグレン症候群患者の耳下腺・顎下腺の脂肪含有率の比較において、顎下腺ではシェーグレン症候群患者の脂肪含有率は正常者と比較し有意に大きく、耳下腺に関しては脂肪含有率の平均値に有意差はみられなかったが、標準偏差においてはシェーグレン症候群患者と正常者に有意差があることを証明できた。 シェーグレン症候群患者における脂肪含有率とサクソンテストの比較は実施することができなかったが、追加項目を設定し、正常者における脂肪含有率と身体的特徴(身長・体重・BMI)、血液データ(総コレステロール・中性脂肪)との相関を分析し、耳下腺は脂肪含有率とBMIに、顎下腺は脂肪含有率とBMI及び中性脂肪値に正の相関があることを証明できた。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、本研究により測定した脂肪含有量によりシェーグレン症候群のグレード分類を行い、専門医以外でも容易にシェーグレン症候群の存在を疑うことのできるような基準を検討する予定である。 また、今までの結果を国際誌に投稿する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
予定していた海外学会への参加ができなくなった為。
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次年度使用額の使用計画 |
国際・国内学会に参加する為の費用、国際誌への論文投稿の為の費用として使用する予定です。 また、研究に必要な物品を購入する為にも使用する予定です。
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