生薬のベルベリンは骨芽細胞の骨分化マーカーを発現させるがヒト歯髄細胞(hPulp)およびヒト歯根膜細胞(hPDL)への効果は不明である。本研究において培養細胞を用いて解析を行ったところ、ベルベリンはhPulpおよびhPDLの細胞増殖を亢進させることが明らかになった。その増殖誘導効果はhPDLにおいて顕著であったため、hPDLに重点をおき研究を行ったところ、この増殖はMAP Kinase非依存的であった。またアルカリフォスファターゼの発現が抑制され、これはMAP/ERK経路を介していることが示唆された。これによりベルベリンはhPDLに対して分化度を抑制しつつ増殖を亢進させることが明らかとなった。
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