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2016 年度 実施状況報告書

歯髄炎に伴うニューロン-グリア連関のシグナルネットワークの解析と臨床への展開

研究課題

研究課題/領域番号 15K20397
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

河村 隼  東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教 (20634083)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワードグリア細胞 / ニューロン / 歯痛
研究実績の概要

“歯科基礎医学的研究”では、Wistar系ラットを用いて実験的歯髄炎を惹起させ、歯髄神経の持続的興奮に伴う中枢神経系内の動態に対して、免疫組織学的解析・遺伝子発現解析(NMDAR、MK801、p38MAPK等)を行った。さらに、中枢神経系内の歯髄駆動ニューロンとその周囲に存在するグリア細胞(ミクログリアやアストロサイトなど)の相互作用に対しても同様に解析を行った(GFAP、P2X7受容体、IBA-1、MHCclassⅡ、CD80、Toll様受容体等)。また、“臨床歯科医学的研究”では、歯髄疾患、特に不可逆性歯髄炎や根尖性歯周炎に罹患していると診断された患者で顎顔面領域に難治性の痛みを訴える者について、その原因の解明並びに痛みの除去に必要とした治療法の種類と治療期間、さらには疼痛消失前後における患者心理の変化(Visual Analogue Scale、Numerical Rating Scale等を使用)、患者の呈する症状の変化と診療行為との関係を調査し、必要に応じて、歯科用CBCT撮像を行い臨床的総合的に分析した。
しかしまだ、歯髄疾患に伴う痛みの中枢細胞間の相互作用については十分に解明されているとはいえず、引き続き、難治性疼痛の病態を詳細に分析し、ひいては有効な治療方法を解明する必要がある。
今後は、特に歯科基礎医学的研究において、生体警告系である痛みを難治性疼痛へと移行させる重要な役割を担っていることが解明されてきたミクログリアに注目し、活性化したミクログリアに特異的に発現増加する複数の因子について解析を行う予定である(炎症応答に必要とされる様々な遺伝子群の発現誘導など)。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

実験的歯髄炎を惹起させた動物実験において歯髄神経の持続的興奮に伴う中枢神経系内の動態に対して免疫組織学的解析、遺伝子発現解析を行うことで、中枢神経系内の歯髄駆動ニューロンとその周囲に存在するグリア細胞(ミクログリアやアストロサイトなど)の相互作用を解析することができた。

今後の研究の推進方策

今年度は、実験動物として糖尿病モデルのラットを主に用いて、実験的歯髄炎を誘発し、平成28年度と同様の検索を行う予定である。また、生体警告系である痛みを難治性疼痛へと移行させる重要な役割を担っていることが解明されてきたミクログリアに注目し、これまで通り、疾患モデルではない通常のラットも用いて、活性化したミクログリアに特異的に発現増加する複数の因子について解析を行う(炎症応答に必要とされる様々な遺伝子群の発現誘導など)ことを検討している。

次年度使用額が生じた理由

購入したいと考えた物品(免疫染色に関連する抗体など)が当該助成金では購入できかったので、翌年度分の助成金と合わせて購入したいと考えたから。

次年度使用額の使用計画

これまでは、遺伝子解析を中心に行ってきたが、翌年度は、これまで以上に免疫組織化学的解析に重点をおきたいと考えている。
免疫組織化学的解析では、高額な物品が多いため、本研究テーマに関連する物品は参考論文などをよく確認しながら、購入する予定である。

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公開日: 2018-01-16  

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