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2015 年度 実施状況報告書

iPS細胞より誘導された象牙芽細胞による新規修復治療の開発

研究課題

研究課題/領域番号 15K20412
研究機関東京歯科大学

研究代表者

中島 啓  東京歯科大学, 歯学部, 助教 (20733463)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2017-03-31
キーワードiPS細胞 / 分化誘導 / 象牙芽細胞 / 象牙質
研究実績の概要

平成27年度では研究実施計画に従って実施し、以下の研究成果を得た。
1. iPS 細胞から象牙芽細胞への分化誘導の確立:iPS 細胞から象牙芽細胞へ効率良く誘導する方法の確立するため、サイトカインや培養方法を検討した。iPS 細胞から胚葉体(EB)を作製し、レチノイン酸とBMP-4 を用いて誘導をおこなったところ、DSPP mRNAの発現が上昇した。誘導細胞に対して免疫組織化学染色を行ったところ、NestinおよびDSPPに陽性を認め、象牙細胞様の細胞であることが示唆された。以上の結果から、iPS細胞から象牙芽細胞様の細胞への分化誘導方法を確立した。
2. 誘導象牙芽細胞の遺伝子発現解析:誘導象牙芽細胞において、マイクロアレイ解析を行った。歯髄細胞と比較したところ、共通する遺伝子がいくつか発見され、象牙座細胞分化に重要な遺伝子であることが考えられた。また、共通する遺伝子の一つをノックダウンすると、象牙芽細胞への分化が優位に低下することを実証した。
4. 誘導象牙芽細胞の生体内移植方法の確立:誘導象牙芽細胞の集塊を、シリコンチューブを用いて歯髄環境を模してマウス腎臓被膜下に移植を行った。移植後の組織では、明らかな象牙質の形成は観察されず、口腔内など別部位への移植を平成28年度に行う。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成27年度において、項目1. iPS 細胞から象牙芽細胞への分化誘導の確立は達成し、項目2. 誘導象牙芽細胞の遺伝子発現解析においては当初の予定以上進展した。項目4. 誘導象牙芽細胞の生体内移植方法の確立においても移植を開始している。項目3. 誘導象牙芽細胞の硬組織形成能の解析においては少々遅れているが、平成28年度に達成可能と考える。以上より、本研究課題の進捗状況は、順調と判断される。

今後の研究の推進方策

成27年度において、項目1および2は達成し、4についても、予定通り取り組むことが可能であった。
平成28年度においては、引き続き項目4を重点的に推進し、項目5の組織解析を行う。また、項目2において、象牙芽細胞分化に必要と思われる遺伝子のノックダウンを行い、より深く解析する予定とした。これらの研究により、iPS細胞から象牙芽細胞へ分化させ、生体内での象牙質の形成を実証する。

次年度使用額が生じた理由

旅費の使用額が計画よりも低く、次年度使用額が生じた。

次年度使用額の使用計画

余剰金額については、物品費として計上する予定である。

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公開日: 2017-01-06  

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