本研究課題では、iPS 細胞を象牙芽細胞へと分化・誘導させ、生体内で象牙質を形成させることを目的とした。iPS 細胞から象牙芽細胞へ誘導するため、胚葉体(EB)を作製し、レチノイン酸とBMP-4にて誘導を行ったところ、象牙芽細胞に誘導されたことが示唆された。また、共SOX11をノックダウンすると、象牙芽細胞への分化が優位に低下することが明らかとなった。誘導象牙芽細胞をマウス生体内に移植したところ、骨様硬組織の形成はみられたが、明らかな象牙質形成を認めなかった。本研究より、SOX11は象牙芽細胞誘導において重要な役割を示すことが考えられた。
|