研究課題/領域番号 |
15K20415
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
羽鳥 啓介 日本大学, 歯学部, 助教 (30632583)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 歯根肉芽腫 / Foxo3a |
研究実績の概要 |
平成27年度は以下の研究計画に基づき良好な結果を得た。①試料採取および病理組織学的検索:外科処置が適応の被験者から根尖病巣組織を採取した。採取したサンプルを二等分し、一方をパラフィン包埋し、パラフィン薄切切片を作製し、ヘマトキシリン・エオジン染色を施した。また、もう一方はRNA抽出のため、ドライアイス-アセトンで凍結を行った。ヘマトキシリン・エオジン染色の結果、70の根尖病巣サンプルのうち歯根肉芽腫は56サンプルであった。②酵素抗体法による免疫組織学的検索:Foxo3a抗体を用いて、酵素抗体法による免疫染色を行った結果、歯根肉芽腫中の炎症性細胞からの発現を認めた。③健常歯肉における病理組織学的検索および免疫組織学的検索:水平埋伏智歯の抜歯が適応の被験者からコントロールとして健常歯肉組織を採取し、同様の処理と検索を行った。その結果、健常歯肉組織でのFoxo3aの発現は認められなかった。
上記①から③で得られた結果は申請書に記載した仮説に基づいており、難治性根尖性歯周炎である歯根肉芽腫中でFoxo3aは認めらたが、健常歯肉中でその発現は認められなかった。
これらの一連の研究活動から、平成27年度において国内関連学会で研究業績を発表することが出来た。さらに、現在根尖病巣内でのFoxo3aの機能を検索するため、さらなる研究を遂行し、得られたデータと合わせ、国内・海外関連学会での発表および海外学術雑誌に投稿予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成27年度予定分としていた歯根肉芽腫中でのFoxo3a発現の研究計画は現在、国内関連学会で発表しているため、上記区分とした。この達成理由として綿密な研究計画をたて、研究協力者である武市准教授との定期的なグループディスカッションを行ったこと、また想定していた試料数よりも多くの試料採取が出来たことにより、研究が円滑に遂行できたためと考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
被験者から採取した根尖性歯周炎中の炎症性細胞からのFoxo3aの発現が認められ、さらに詳細な局在を検索するため、今後はTリンパ球、Bリンパ球および好中球のマーカーであるCD3、CD79αとNeutrophil Elastaseとの蛍光二重染色を行い、Foxo3aの発現細胞の同定を行う。また、凍結試料を用いて、RNAの抽出を行い、相補的DNAを作製後、real time PCR法を用いて、Foxo3aとFas-L遺伝子の発現の検索も同時に行っていく予定である。また、コントロールとして健常歯肉群でも同様の検索を行っていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
当該年度、歯内外科処置が適応の被験者からの試料採取に必要なオペ器具および材料、さらにFoxo3a発現検索のための抗体と試薬などが実験を遂行するために必要と思われていた量より少ない量で結果を出すことができ、購入を予定していたものを購入せずに済んだためと思われる。 また、得られたデータ解析のために購入予定であったデスクトップ型のパソコンも予定していた購入額よりも低予算で済んだことも大きな要因であると思われる。
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次年度使用額の使用計画 |
歯根肉芽腫中のFoxo3aの詳細な局在と機能を検索するため、白血球のマーカーであるCD3、CD79αおよびNeutrophil Elastaseとの蛍光二重染色、さらにFoxo3aとFas-Lの遺伝子発現を検索するためにreal time PCR法を行うにあたり、抗体、試薬とプライマーの合成などに使用していく予定である。
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