現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
計画当初には予定していなかったが、蛍光色素であるローダミンBを混入することにより本来のセルフエッチングプライマーの象牙質浸透性に影響があることが考えられる。そのため研究に先立ち、いろいろな濃度(0,1,3,5,10,20,30%)のローダミンBを混入したセルフエッチングプライマーを回転研磨盤により平面を作成した象牙質面に応用し、応用面に直角となる断面を作成し顕微鏡下で浸透性の観察を行った。その結果ローダミンB濃度が上がるほど象牙質への浸透性は低下していくものの、1%以下であれば遜色ない程度であることがわかった。 回転研磨盤にて咬合面に平行に象牙質面作成後ローダミンB濃度が0.05, 0.06, 0.07, 0.08, 0.09, 1.0, 2.0%となるセルフエッチングプライマー(クリアフィルボンドSE ONE)にて歯面処理を行った。メーカー指示に従い弱圧エアーにて乾燥後光照射を10秒間行った。硬組織自動精密切断機にて象牙質面に直交する面を作成し#600、#1000、#2000の耐水研磨紙を用いて切断面の研磨を行い共焦点レーザー顕微鏡(LSM710)による観察を行った。その結果、0.07~1.0%の濃度のものが蛍光度合いが観察に適していることがわかった。 当初の計画では各ローダミンB濃度の引っ張り強さ試験まで行いローダミンB濃度決定まで行う予定であったが、計画になかったローダミンBによるプライマーの浸透性の違いについて検討を行ったため若干の遅れをきたしている。しかし、研究の遅れは1か月程度であり、進捗状況にあまり問題はない。
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