研究実績の概要 |
本研究の目的は, 新規に確立したマウスiPS細胞由来高純度象牙芽細胞と細胞増殖および抗アポトーシス制御作用を有したMMP-3の新規な分解基質の同定を生化学的手法 (siRNAによる特定タンパク質生合成阻害, 細胞増殖性, アポトーシス細胞死, MMP-3活性測定, RT-PCR法による遺伝子解析, ウエスタンブロット法など) を用いて解析し, 既存の歯髄保存療法に代わる新規な象牙質・歯髄複合体再生治療法のモデルを確立することである. 平成28年度の具体的到達目標は, マウスiPS細胞の象牙芽細胞への分化誘導におけるMMP-3とExtracellular matrix metalloproteinase inducer (Emmprin) のシグナルカスケードの解析を行い, 以下の結果を得た. 1.マウスiPS細胞由来高純度象牙芽細胞を用いた炎症性サイトカイン誘導MMP-3とEmmprinのシグナルカスケードの解析 マウスiPS細胞由来高純度象牙芽細胞を用いて, 炎症性サイトカイン誘導MMP-3とEmmprinの発現をRT-PCR法を用いて検討した結果, 炎症性サイトカインによりMMP-3とEmmprinの発現が明らかとなった.
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今後の研究の推進方策 |
平成29年度以降は, マウスiPS細胞の象牙芽細胞への分化誘導におけるMMP-3とExtracellular matrix metalloproteinase inducer (Emmprin) のsiRNAを用いたシグナルカスケードの解析, および, 雌性C57BL/6J系マウスを用いたin vivoにおいて, 象牙質に特異的なマーカーである象牙質シアロタンパク質(DSP)の発現と象牙細管様構造を免疫染色法を用いて観察する.
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