現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
1)Original DNA(20mg~200mg)と水(1ml)を混和して各種DNA jellyを作成する. 2)各種DNA jellyの溶解速度,粘度,気孔率,賦形性などより適切な混和比(DNA量/水の量)を求める.3)クロスリンク剤をCy,CAPおよびProに反応させてDNAカップリング剤となる各種のCy-Proカップリング剤およびCAP-Proカップリング剤を合成する. 4)紫外線照射により水不溶化にしたガラス板上のDNA薄膜に各種DNAカップリング剤を反応させる.反応後,免疫染色を施し,染色度合いを検鏡する.また,画像処理にて反応量を定量分析する.5)ガラス板上のカップリング剤処理済みDNA薄膜に骨芽細胞を播種し,骨形成促進材含有培地で培養した後 骨形成関連遺伝子(Runx2,OSX,OCNなど)の発現量を測定する. 6)DNA jellyから作成した乾燥DNAディスクおよびカップリング剤処理済みDNAディスクをラットの頭蓋骨に埋入して,病理組織観察,μCT画像などから,骨形成能と基材の成分との関係を検討する.3)4)5)は現在行っておりin vivo実験のパイロットスタディーを先行したため当初の計画よりやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
最適サイトカインおよび細胞接着タンパクをそれぞれ一種選定し、今後の実験に活用する. 1.細胞接着タンパク質とサイトカインを混合修飾したDNAの機能:同様の方法で作成したMAS処理ガラス板のDNAに細胞接着タンパク質用P-GBとサイトカイン用P-GBを混合修飾させる.そして,遺伝子発現試験および細胞活性試験より修飾効果の有無および効果と修飾濃度の関係を検討する.ない場合は単独修飾を考える.
2.P-GB修飾DNAジェリーの作成:前年度1.(a)の結果を参考にして最適DNAジェリーを作成し,そして,1.を参考にして選定した濃度のP-GBを加え,P-GB修飾DNAジェリーを作成する.
3.ラット頭蓋骨埋入動物実験:2.と同様の方法で作製した各種P-GB修飾DNAジェリーをラットの皮下や頭蓋骨に埋入する.そして,一定期間後(~6ヶ月間内),病理組織観察(HE染色脱灰標本、トルイジン青およびALP染色オステオカルシン免疫染色非脱灰標本)から、組織反応性、生体分解能性,新生骨形成状態を検討する.また,μCTより経時的な新生骨形成状態を観察する.なお,動物愛護の観点から小数の動物を使用するよう努力する.
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