研究課題/領域番号 |
15K20421
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
石河 理紗 東北大学, 大学病院, 医員 (40734471)
|
研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
|
キーワード | 顎顔面補綴 / 摂食嚥下リハビリテーション / 画像評価法 |
研究実績の概要 |
カプセル内視鏡を内蔵した補助床の作成に先立ち、クリア色の上顎補助床製作方法の最適化を図った。予備実験として厚さ2mmの30mm四方のクリア色材料片を作成し、それぞれの材料の硬さや透明性、操作性の確認を行った。 続いて健常有歯顎者1名を被験者とし、通法に従って精密印象を採得し、作業用模型を作製した。作製した模型を用いて、各種のクリア色材料で補助床を製作した。作製した補助床について、硬さ(強度)について評価し、各クリア色材料における補助床の厚さを規定した。それぞれのクリア色材料について規定された厚みで補助床を作製し、種々の研磨方法を実施し、透明性について評価を行った。評価の結果、最も透明性の高かった条件を補助床作製条件とした。 新たに健常有歯顎被験者1名に精密印象を行い、作業用模型を作製した。作製した模型上で各種クリア色材料の最適条件にて上顎補助床を製作した。作製した補助床の一つにカプセル内視鏡と同一の大きさのデモ機を固定し、固定位置および固定方法について検討を行った。さらに他のクリア色材料で作製した補助床についても、同様の位置にデモ機を固定し、固定方法について検討を行った。 結果として上顎補助床の最適作製条件では、デモ機の固定強度がやや不十分となることが明らかとなった。そのため、カプセル内視鏡固定位置(デモ機固定位置)については、あえて表面を粗造な状態に加工し、固定強度の優先を図った。再設定した補助床製作条件においては固定性についても良好な結果が得られ、各種クリア色材料における上顎補助床の最適作製条件が確立された。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
補助床の製作において、より鮮明でゆがみの少ない画像を得られる透明性の高い床用材料の検討を行った結果、当初の予定より材料の種類を追加し、硬化条件や研磨方法についても詳細に分類したため、最適作製条件の模索に時間を要した。 また、上顎補助床へのカプセル内視鏡デモ機の固定に際して、舌運動などの基本的な口腔期能を阻害せず、かつ十分な強度の得られる固定方法の検討が必要であったため、当初の計画よりやや遅れた。
|
今後の研究の推進方策 |
初年度で得られた結果を元に、健常有歯顎者10名に対して上顎補助床を作製、カプセル内視鏡による口腔内画像撮影を行う。画像を参考に光量や画質の調整を行い、機能運動時の画像データを取得、解析を行う。解析結果から、指標となる健常有歯顎者の標準的画像データを設定し、画像解析方法の確立および評価のための機能運動タスクの決定を行う。 続いて、口蓋部を含む上顎欠損を有する上顎顎補綴装置装着者3名に対して、使用中の上顎顎義歯をクリア色材料を用いて複製する。複製されたクリア色上顎顎義歯に対して、健常有歯顎者での固定位置を参考にカプセル内視鏡を固定し、画像取得を行う。静止時の画像を参考に光量や画質の微調整を行い、機能運動タスクを実施し、画像データを取得する。得られた画像データについて、解析を行い、健常有歯顎者との比較や被験者間での相違について検討する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
補助床の製作において、より鮮明でゆがみの少ない画像を得られる透明性の高い床用材料の検討を行った結果、当初の予定より材料の種類を追加し、硬化条件や研磨方法についても詳細に分類したため、最適作製条件の模索に時間を要した。さらに上顎補助床へのカプセル内視鏡デモ機の固定に際して、舌運動などの基本的な口腔期能を阻害せず、かつ十分な強度の得られる固定方法の検討が必要とした。 結果として、カプセル内視鏡システムセットA MJA-1467 オリンパスおよびカプセル内視鏡セットの購入が次年度となり、次年度使用額が生じた。
|
次年度使用額の使用計画 |
早期にカプセル内視鏡システムセットA MJA-1467 オリンパスおよびカプセル内視鏡セットの購入し、初年度で得られた結果を元に、健常有歯顎者10名に対して上顎補助床を作製、カプセル内視鏡による口腔内画像撮影を行う。画像を参考に光量や画質の調整を行い、機能運動時の画像データを取得、解析を行う。解析結果から、指標となる健常有歯顎者の標準的画像データを設定し、画像解析方法の確立および評価のための機能運動タスクの決定を行う。 続いて、口蓋部を含む上顎欠損を有する上顎顎補綴装置装着者3名に対して、使用中の上顎顎義歯をクリア色材料を用いて複製、健常有歯顎者での固定位置を参考にカプセル内視鏡を固定し、画像取得を行う。静止時の画像を参考に光量や画質の微調整を行い、機能運動タスクを実施し、画像データを取得する。得られた画像データについて、解析を行い、健常有歯顎者との比較や被験者間での相違について検討する。
|