健常有歯顎者5名を被験者とし、前年度に確立した各種クリア色材料における上顎補助床の最適作製条件にて、上顎補助床を作成した。作製した補助床へカプセル内視鏡を固定し、顔面及び頸部にかけてアンテナユニットを設置、各種撮影条件やアンテナユニットの設置条件を検討した。さらに開閉口運動などの顎運動や発音、咀嚼・嚥下などの機能運動を行い、補助床後縁部および周囲軟組織の挙動の画像データを取得、取得した画像について、補助床に設けた画像解析用基準点を指標に,周囲粘膜の空間的および時間的な挙動について分析を行い、比較、評価した。 続いて上顎顎補綴装置装着者1名を被験者として、使用中の上顎顎義歯を各種クリア色材料で複製した。複製顎義歯に内視鏡を固定し、健常有歯顎被験者にて確定したアンテナユニット設置条件を基にアンテナユニットを貼付、予備撮影を行い、撮影条件を調整した。特にオブチュレータ部は厚みがあり、画像のゆがみを生じやすいことから、ゆがみを最小限に抑えることが可能な内視鏡固定条件や撮影条件を検討した。 調整後の条件にて開閉口運動や発音、咀嚼・嚥下運動などを行い、機能運動時の穿孔部周囲の周囲軟組織の挙動の画像データを取得した。取得したデータについて、健常有歯顎者での解析手法を用い、健常有歯顎者との差異や穿孔部周囲の辺縁封鎖の様相などの解析を行った。また、顎義歯の形態を調整し、調整による周囲軟組織の挙動変化についても分析した。
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