咀嚼や嚥下など、口腔機能運動は閉口状態で行われるため、実際の正確な挙動について評価することは困難であった。特に、顎欠損を有し、通常の義歯と比較して良好な辺縁封鎖性を要求される上顎顎義歯では、辺縁軟組織の挙動や封鎖性の評価法の開発が求められてきた。そこで本研究では、小腸の画像評価に使用されている無線式かつ小型の画像撮影装置であるカプセル内視鏡を上顎顎義歯に内蔵し、辺縁軟組織の挙動を解析することで辺縁封鎖の様相について明らかとする方法を検討した。画像解析により、辺縁軟組織の挙動についていくつかの知見を得た。今後は被験者数を増やすことによって、より詳細かつ優位性の高い知見の獲得を目指すものである。
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