チタン表面にStreptococcus mutansの人工バイオフィルムを形成し、バイオフィルム-チタン腐食モデルを構築した。フッ化物の作用によりバイオフィルム直下のpH低下抑制が確認され、バイオフィルム存在下ではフッ化物の有無による腐食傾向の増加は認められなかった。低pHフッ化物溶液への浸漬では、腐食傾向増加、色調変化、光沢度低下、チタン溶出が認められたが、中性環境下ではフッ化物による変化は認められなかった。 本研究成果より、口腔内における中性フッ化物の使用はチタン腐食に影響を与えないと考えられることから、チタン製歯科材料使用患者においても残存歯う蝕予防のためフッ化物使用を推奨する根拠となる。
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