ローズベンガルなどの色素を光感受性物質に用いた光線力学殺菌療法(PACT)では、浮遊菌に対する殺菌効果は高いが、殺菌対象がバイオフィルムとなると著しい殺菌力の低下が認められることが分かった。代わりに光感受性物質としてポリフェノールの一種であるカフェイン酸水溶液を用い、光源に近紫外線のLEDを用いる新しいPACTを応用した方法を試したところ、Streptococcus mutansのバイオフィルムを効果的に殺菌することができた。ラットを用いた安全性試験にも問題はなかったため、後者の方が歯科応用に適していることが示唆された。
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