研究課題/領域番号 |
15K20427
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
村上 奈津子 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教 (80706995)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 摩耗 / 有限要素解析 / 接触応力 / セラミックス / CAD/CAM |
研究実績の概要 |
歯冠修復・補綴物の摩耗に関して,その摩耗メカニズムを解明するには至っていない.近年のCAD/CAM技術の発展により材料開発は多様化し,破折強度に優れ,かつ高硬度のセラミックス材料が台頭してきているが,対合歯および対合補綴装置への過度な摩耗を誘発する事が懸念されている.そこで本研究では,異なる材料間での摩耗試験における摩耗量と,材料間に発生する接触ストレス,および材料強度の三者の関係性を明らかにする事で,摩耗を生じるメカニズムに基づく一般性のある評価方法を検討する事を目的とする. 修復材料同士が咬合する摩耗をシミュレートするため,咬頭が咬合面をスライドする状態を模倣し,ボール状の試料がディスク状の試料を滑走する摩耗試験を用いた.試料製作には,歯科用CAD/CAMシステムを用い切削加工にてそれぞれの形状の試料を作製した.試料の摩耗量の計測を行うため,口腔内カメラを用いて3Dデータを取得し,経時的な摩耗量の変化を観察した.さらに,摩耗試験において各材料同士が接触滑走を行っている際にそれぞれの接触面に発生する応力を有限要素解析を行いて算出した.試料の形態・滑走挙動・荷重圧を考慮した接触荷重条件初期接触応力から摩耗摩耗予測を可能とするシステム構築を目指す.新たに補綴修復を行う際の,対合歯の材質や形態を考慮した摩耗予測を可能とすることで,日々開発される新規材料にも対応可能とした,補綴治療における材料選択基準の一助とする
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
摩耗試験の試料作り,および口腔内カメラを用いて経時的な摩耗量を測定する手法に関して確立させたため,複数のセラミックおよびコンポジット系の材料を用いてで,各組み合わせ(総当たり)におけるの摩耗試験データの取得を行った.摩耗していない初期状態の試料モデルを用い,有限要素解析を用いて応力・歪みの算出を行い,摩耗データと比較することで,材料強度と接触応力,摩耗との関係性に関して論文に投稿し成果発表を行った.
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今後の研究の推進方策 |
有限要素解析で得られる数値の更なる考察が必要と考えており,モデルおよび設定条件に関しての再考が必要である.また,摩耗の進行に伴う形態変化と,その変化に応じた接触応力の変化に関して,未だ解析が難航しており,本年度は引き続き検討をおこなっていく.結果に応じて,摩耗試験の追加実験を検討している.
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