研究課題/領域番号 |
15K20431
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
長澤 麻沙子 新潟大学, 医歯学系, 助教 (40612239)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 破骨細胞 / 骨髄細胞 / 表面性状 |
研究実績の概要 |
平成28年度は前年度に引き続きBone Marrow Stromal Cells(BMSCs)を介した破骨細胞の分化制御の検索を行い、実験結果をより確実なものとするべく実験を行った。6週齢ウィスター系ラットのより採取した骨髄細胞を24時間培養した後、非接着性細胞を取り除き、接着性細胞を一定期間培養した。これをBMSCsとし、1~2回継代した後に培養上澄み液を回収しておいた。同じく6週齢ウィスター系ラットのより採取した骨髄細胞を24時間培養した後、非接着性細胞を回収し、これをBone Marrow-derived Macrophage(BMM)とした。BMMはBMSCsの培養上澄み液およびsoluble-RANKL, M-CSFと一定期間培養を行った。その結果、異なる刺激・環境下におけるBMSCs 培養が間接的に破骨細胞の分化に影響を及ぼすことがわかった。例えば表面性状の異なる3種類(machined, micro, nano)の純チタンプレートおよびtissue culture plasticに播種した場合、Microとnanoの表面性状のチタン上で培養した骨髄間質細胞では遺伝子発現の解析を行った際にTNF-α( Tumor Necrosis Factor α)とM-CSF(macrophage colony-stimulating factor)の発現増加がみられ、その上澄み液により培養された破骨細胞にも変化が認められた。このことから純チタンの表面性状の違いは骨髄間質細胞のphenotypeを変化させ、間接的に破骨細胞の増殖・分化に影響を与えることが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
前年度の結果を踏まえ、繰り返し実験を行うことでその結果に確証を持つことが出来、さらに当初の予定であったqPCR法にて遺伝子の解析を行うことができた。この結果はすでに得られている結果を裏付けるものであった。
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今後の研究の推進方策 |
引き続きBMSCs における蛋白の遺伝子発現をreal-time PCR 法によって検索する。まずはM-CSF,RANKL,OPG,TNF-α の4因子に着目し、BMSCs が産生し、間接的に破骨細胞の分化に影響を与える因子を同定するための解析を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
2016年度の収支としては未使用額は大きいが年度末(3月)に使用した金額はここに反映しておらず、これを反映するとほぼ予定通りである。
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次年度使用額の使用計画 |
物品購入などの納品検収は当該年度に完了し、4月に支払いは完了している。今後の動物実験やこれにかかわる消耗品およびタンパクの遺伝子発現解析等に使用する予定である。
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