保存不可となったインプラント除去手術時には周囲骨の削除を伴うことが多いが、それを避けるためにインプラント体を加熱することで除去トルクを減少させ、術後の骨欠損を最小限にできるとの報告が散見される。本研究では、その効果や機序についての検証を行うことを目的とした。電気メスによるインプラント体の加熱によって、加熱後の経時的な骨小腔空胞化範囲の拡大と破骨細胞の遊走、それに伴う除去トルクの減少を認めた。また加熱条件の変更によって、加熱後の骨侵襲範囲の変化も観察され、本法の有効性と更なる詳細な条件策定の必要性が示唆された。
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