研究課題/領域番号 |
15K20451
|
研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
橋口 千琴 鹿児島大学, 医歯学域附属病院, 助教 (10596860)
|
研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
キーワード | インプラント / 糖尿病 |
研究実績の概要 |
糖尿病は,インスリンの分泌障害,インスリン抵抗性の亢進による慢性高血糖を主徴とし,本邦においても近年患者数が増加している.糖尿病による高血糖は,微小細管・好中球の機能障害等を引き起こし,軟組織の創傷治癒を遅延させ,感染のリスクを引き起こす点からインプラント治療の相対禁忌症の一つに挙げられている.実際の臨床では,罹患期間の長短に関わらず,血糖値が改善・維持されている状態であれば,非糖尿病者と等しく取り扱っているのが現状であるが,骨‐インプラント結合に与える影響に関しては明らかにされておらず,治療結果にどのように影響するかという臨床的疑問が残ったままであるため,本研究では骨-インプラント結合についての生体力学的・組織形態学的検討を行うものとした.動物実験に入る前に,細胞実験を行い,コントロール培地(α-MEM),骨分化培地,高グルコール培地,高グルコース+骨分化培地の4群において培養し,アルカリフォスファターゼ活性骨芽細胞様細胞の分化度の評価を行ったところ,高グルコース培地のみではアルカリフォスファターゼ活性が少なく,骨分化させても,あまり上昇しないことが確認された.またSDラット♀にストレプトゾドシンを腹腔内注射をして,Ⅰ型糖尿病を製作したところ,血糖値がコントロール群において平均156であったが,糖尿病モデルにおいては372であった.今後インプラント埋入等を行い,骨結合がどのように経過していくか観察していく.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
細胞実験およびⅠ型モデルを用いた動物実験を行い,ストレプトゾドシンの腹腔内投与により血糖値は増加したが,体重はあまり変化がないことが確認されただけであるため.
|
今後の研究の推進方策 |
今後はⅠ型糖尿病モデルを用いたインプラント実験,さらにⅡ型モデルを用いたインプラント実験を行っていき,さらに糖尿病治療薬の経口投与によりどのような差が生じるか完答を行っていく.
|
次年度使用額が生じた理由 |
Ⅱ型モデルラットの動物実験を行う前に,Ⅰ型糖尿病モデルラットにおいて評価を行っており,本来の前実験を行ったため,費用に差額が生じた.
|
次年度使用額の使用計画 |
Ⅱ型モデルラットの購入およびインプラント実験に必要な物品を購入し,実験を遂行していく.
|