研究課題/領域番号 |
15K20460
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研究機関 | 鶴見大学 |
研究代表者 |
長田 秀和 鶴見大学, 歯学部, 学部助手 (50712064)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 維持力 / ノンメタルクラスプ / 熱可塑性樹脂 |
研究実績の概要 |
ノンメタルクラスプデンチャーは広く臨床応用されている.しかし,維持装置の設計は経験的に行われており,使用する熱可塑性樹脂の材料学的性質に合致した設計方法を確立することは急務であると考えられている.現時点では,樹脂の理工学的性質と義歯の治療効果と術後経過に関する研究が不十分である.そこで本研究は熱可塑性樹脂クラスプについて,症例に適した熱可塑性樹脂材料の選択や長期使用を可能とする設計について明らかにすることを目的に行った. 現在,熱可塑性樹脂クラスプの製作を行っている.熱可塑性樹脂クラスプの製作は,第一大臼歯を想定した歯冠高径8.0 mm,歯冠幅径10.0 mm,曲率半径7.5 mmの18-8ステンレス鋼製金型支台歯を使用し.熱可塑製樹脂クラスプの設計はアンダーカット量0.25 mm,0.5 mm,0.75 mmに設定し,クラスプの厚みを0.5 mm, 1.0 mm,1.5 mm,2.0 mmに変化させ製作した.試料は,37±2 ℃水中に48時間浸漬し,試料数は各条件につき5個ずつ製作した.現在ポリアミド系の材料であるアルティメットについて,熱可塑性樹脂クラスプの製作を完了した.今後それら熱可塑性樹脂クラスプの適合試験(初期と10,000回後),初期維持力の測定を行い,義歯10年間の長期使用を想定した10,000回の繰り返しの着脱を行い,維持力の変化の測定を行う予定である.また,平成28年度には材料の理工学的な性質を調べるために短冊状の試料を射出成形し,3点曲げ試験によって比例限最大応力を検証する予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本研究はまず熱可塑性樹脂クラスプの製作が必要である.クラスプの作製は第一大臼歯を想定した歯冠高径8.0 mm,歯冠幅径10.0 mm,曲率半径7.5 mmの18-8ステンレス鋼製金型支台歯を使用し,熱可塑製樹脂クラスプの設計はアンダーカット量0.25 mm,0.5 mm,0.75 mmに設定し,クラスプの厚みを0.5 mm, 1.0 mm,1.5 mm,2.0 mmに変化させ製作を行うが,その中で,0.5mmなどの薄い厚みのクラスプ製作は,射出成形が一回ではなかなか成功せず,何回かかかってしまった.また,12種類と多くの材料を集めなければならなく,取り寄せる業者に関して,一定の場所のみしか取引を行っていない業者などもあり,多くの材料を集めるのも非常に困難であったために当初想定していた時間より多くの時間を要してしまったために進捗状況に遅れが生じてしまった.
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今後の研究の推進方策 |
ポリアミド系のバイオ・プラスト(ハイデンタルジャパン),フレックススターV(日本デンタルサプライ),バイオ:トーン(ハイデンタルジャパン),ルシトーンFRS(デンツプライ三金),ポリエステル系のエステショットブライト(アイキャスト),ポリカーボネート系のレイニング(東伸洋行),ジェットカーボ-S(ハイデンタルジャパン),ジェットカーボ(ハイデンタルジャパン),バイオ・カーボ(ハイデンタルジャパン),アクリル系のアクリトーン(ハイデンタルジャパン),ポリプロピレン系のUNIGUM(ウェルデンツ)について熱可塑性樹脂クラスプの製作を行こなう.クラスプの設計はアンダーカット量0.25 mm,0.5 mm,0.75 mmに設定し,クラスプの厚みを0.5 mm, 1.0 mm,1.5 mm,2.0 mmに変化させ製作を行う.その後初期維持力と,着脱500回後,1,000回後,以下1,000回ずつ10,000回まで試料の着脱を繰り返し行い維持力の変化を検証し,初期と10,000回後の適合試験を行う.また各材料の機械的強度を調べるために曲げ試験行う予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
熱可塑性樹脂クラスプの製作に時間を要していて,研究が想定していたよりも遅れているので研究が進んでいない.そのため,研究に関する費用がまだかかっていないために次年度使用額が生じた.
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次年度使用額の使用計画 |
まだ製作を行っていない,ポリアミド系のバイオ・プラスト(ハイデンタルジャパン),フレックススターV(日本デンタルサプライ),バイオ:トーン(ハイデンタルジャパン),ルシトーンFRS(デンツプライ三金),ポリエステル系のエステショットブライト(アイキャスト),ポリカーボネート系のレイニング(東伸洋行),ジェットカーボ-S(ハイデンタルジャパン),ジェットカーボ(ハイデンタルジャパン),バイオ・カーボ(ハイデンタルジャパン),アクリル系のアクリトーン(ハイデンタルジャパン),ポリプロピレン系のUNIGUM(ウェルデンツ)の材料の購入やデータの計測に関する費用.また,学会に関する費用などに充てる予定である.
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