研究実績の概要 |
本研究は,RDC/TMDを用いて, スプリント療法を施行する顎関節症患者の治療前・治療中・治療後の診断データを縦断的に収集し, 各ステージ間における診断データの変化により, 顎関節症に対するスプリント療法の適当性を評価するものである. 特に心理社会的因子を有する患者に対し, スプリント療法が有効かどうかを見極めることを目的とした. 当初RDC/TMDを用いた計画をおこなっていたが、新たな診断基準であるDiagnostic Criteria for TMD(DC/TMD)の急な世界的普及に伴い、計画変更を余儀なくされた。また日本では未だDC/TMDの概念が普及しておらず、オリジナルの和訳を自ら行わなくてはいけないため,DC/TMDの理解と検証に時間を要した。検証の結果、DC/TMDはタッチパネル方式による独自のアンケート・システムにもうまく適合せず使用困難であった。また、研究期間中に研究代表者の学外出向があり、本研究の当初予定していたデータ収集が困難な状況に陥った。その結果,申請当初予定していた研究の論文化までには至らなかった。 スプリント療法の適当性を明らかにすることは、顎関節治療をおこなう上で重要な意義があるため、今後も引き続き研究を実施し,成果を残したいと考えている。
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