研究課題/領域番号 |
15K20474
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
下岸 将博 東京医科歯科大学, 歯学部附属病院, 医員 (60747913)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 歯科インプラント / 歯科用金属 |
研究実績の概要 |
口腔機能回復に有効であるインプラント治療においては、人工歯根であるインプラント体と口腔内で機能する歯冠にあたる上部構造の双方が良好な機械的物性および高い生体親和性を有する事が要求される。さらに前歯部の喪失症例においては審美的要求の高い領域とされ、残存歯と比較して違和感のない歯冠色を実現する必要がある。 ジルコニウムに14%のニオブを含有したジルコニウム-ニオブ合金は、高温酸化処理を施す事で材料表面が白色を呈する為、金属材料でありながら臨床応用において審美性を損なわないこと、表面の酸化層と基材との間に強固な結合力が働いていることが報告されている。 平成27年度においては、歯科インプラント治療に用いる金属材料として適する機械的物性を確保する為に、ジルコニウム-ニオブ合金に対して、数種類の加工を施したサンプルを作成し、その性質(ISO 規格6872:2008 および22674:2006 を参考とする)について評価を行った。 さらに、候補となる条件で作成されたサンプルに対して高温酸化処理を施し、臨床応用可能な発色が得られ、かつ酸化層自体の強度が確保できる条件を検討し、さらに高温酸化処理後のサンプルの機械的強度において処理前後で変化が認められるか否かを評価を行った。 臨床応用において適切と思われる金属加工処理・および高温酸化処理の条件下において、ジルコニウム-ニオブ合金は、従来の歯科用金属と同程度の機械的物性を有する事が明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ジルコニウム-ニオブ合金に関して、酸化処理前および酸化処理後における機械的物性の評価を行った。当初の予定よりも多種の加工条件を検討した為、平成27年度に関しては機械的物性における評価を行うにとどまった。
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今後の研究の推進方策 |
平成28年度においては、ジルコニウム-ニオブ合金およびその高温酸化処理を施したサンプルを用い、生物学的試験を行う予定である。細胞レベルおよび生体組織内における同合金の生体親和性に関し評価を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成27年度計画において、ジルコニウム-ニオブ合金に関して機械的物性評価および生体親和性の評価を行う予定であったが、当初の予定より研究計画の進行に遅れが生じている為、次年度使用額が発生した。
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次年度使用額の使用計画 |
平成28年度において、当初平成27年度に実施予定であった、ジルコニウム-ニオブ合金の生体親和性における評価項目の実施のために使用される。
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