研究実績の概要 |
口腔内でのバイオフィルム形成は口腔疾患のみならず生体内に大きな影響を与えている。歯科分野では齲蝕や歯周病がその代表的な例である。口腔内は唾液による生体防御機能があり、抗菌性タンパク質を有し予防している。 しかし、これらの唾液タンパク質と歯科材料の吸着特性については明らかとなっていない点が多くある。本研究では唾液に含まれる抗菌性タンパク質の一つであるラクトフェリンに着目し、チタン(Ti)、ステンレス(SUS)、ジルコニア(ZrO2)およびポリメチルメタクリレート(PMMA)に対する ラクトフェリンの吸着特性についてQCM(水晶発振子)法による解析を行った。また、各材料のゼータ電位および接触角を計測することにより静電反発作用との関連性について検討した。本研究結果より、材料の種類により吸着特性が違うことが明らかとなった。吸着特性に関わる各材料のゼータ電位と吸着特性の関連性はやや不明な点が多く、さらなる詳細な検討が必要と考えられた(Adsorption analysis of lactoferrin to titanium, stainless steel, zirconia and polymethyl methacrylate using the quartz crystal microbalance method, E. Yoshida, T. Hayakawa.Biomed Res Int. 2016)。
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