研究課題/領域番号 |
15K20496
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研究機関 | 大阪歯科大学 |
研究代表者 |
岡村 友玄 大阪歯科大学, 歯学部, 助教 (10567473)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 骨補填材 / 毛細血管 / 移植 / 細胞活性維持 / サンゴ外骨格 |
研究実績の概要 |
平成29年度は①サンゴ外骨格とヒト毛細血管を共培養し、毛細血管の形成を形態学的に観察した。サンゴ外骨格が毛細血管形成に有用である結果を得た。②サンゴ外骨格の移植後の初期固定を考慮し、CAD/CAMによる加工成形を行い、試作品の作成した。これをイヌに移植し、12週の経過をエックス線画像所見で観察した。12週後に犠牲にしたイヌの顎骨標本をマイクロCTで3次元データとして解析を行った。サンゴ外骨格の吸収の1挙動を得た。③試作品とヒト正常皮膚線維芽細胞を培養し、細胞増殖能をホルマザンの発生をもって生化学的に、走査型電子顕微鏡、共焦点レーザー顕微鏡を用いて形態学的に観察した。サンゴ外骨格がヒト正常皮膚線維芽細胞の細胞増殖とコラーゲン線維産生亢進に影響を与える結果を得た。④培養毛細血管付きサンゴ外骨格を生体へ移植する際に、細胞培養用CO2インキュベーターから取り出し、診察室で培養液から一時的に別の液に保存する必要性を考慮して細胞活性を維持できる液体としてアミノ酸含有総合輸液に注目し、これを保存液として応用した。また、感染制御の観点から、総合輸液にセフェム系抗菌薬と抗真菌薬を添加してそれぞれ、ヒト正常皮膚線維芽細胞のミトコンドリア活性を測定し、生理食塩水に比べて高い数値を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画した通りの研究を実行することができた。サンゴ外骨格がヒト線維芽細胞の細胞増殖とコラーゲン線維産生能を亢進させる可能性が示唆された。毛細血管付きサンゴ外骨格を生体に移植する際、骨組織との適合(初期固定)を高める必要が生じたため、当初予定していなかったCAD/CAMを応用したカスタムメイド試作骨補填材を開発することになった。
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今後の研究の推進方策 |
平成30年度はこれまでの成果を参考にして、試作品の改良をすすめ、大型動物にサンゴ外骨格を移植し、周囲組織への吸収過程、骨組織への置換の挙動をエックス線画像所見、病理組織学的画像所見で観察する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
カスタムメイド試作骨補填材の開発に時間がかかってしまったため期間内に使い切れなかった。平成30年度は実験動物に試作骨補填材を移植する予定である。
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