研究課題
平成30年度は①培養毛細血管付きサンゴ外骨格を生体へ移植する際に、細胞培養用CO2 インキュベーターから取り出し、診察室で培養液から一時的に別の液に保存する必要性を考慮して細胞活性を維持できる液体としてアミノ酸含有総合輸液に注目し、これを保存液として応用したが、溶液中にブドウ糖が含有されることが原因となり細菌が増殖するリスクを見出した。そのため、栄養素としてクエン酸を含有してなおかつ緩衝剤として重炭酸が添加された重炭酸リンゲル液に注目して、細胞の保存液としての性能を見出した。また、感染制御の観点から、重炭酸リンゲル液にセフェム系抗菌薬(セフトリアキソンナトリウム)と抗真菌薬(フルコナゾール)を添加してそれぞれ、ヒト正常皮膚線維芽細胞のミトコ ンドリア活性を測定し、生理食塩水に比べて高い数値を得た。さらに保存温度環境としては37-42℃がミトコンドリア活性で高い数値を示した。②CAD/CAMによる加工成形を行い、サンゴ外骨格由来骨補填材の試作品(ネジ状構造)を作成した。これをイヌに移植し、12週の経過を7日毎にエックス線画像所見で観察した。12週後に犠牲にしたイヌの顎骨標本をマイクロCTで3次元データとして解析を行った。サンゴ外骨格の吸収の挙動をエックス線所見およびH-E染色病理組織所見から得た。③試作品とヒト正常皮膚線維芽細胞を培養し、細胞増殖能をホルマザンの発生をもって生化学的に、走査型電子顕微鏡、共焦点レーザー顕微鏡を用いて形態学的に観察した。
すべて 2018
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Nano Biomedicine
巻: 10(2) ページ: 91-96
https://doi.org/10.11344/nano.10.91