研究課題/領域番号 |
15K20505
|
研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
今 一裕 東京医科歯科大学, 歯学部附属病院, 医員 (70609718)
|
研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
キーワード | 骨補填材 / 骨欠損治癒 |
研究実績の概要 |
歯科領域における骨補填材に関する様々な開発・研究がなされているが、自家骨と同じリモデリング能を有する代替材料は未だ開発されていない。当分野では、これまでにハイドロキシアパタイトファイバー(以下HAファイバー)が、骨造成、骨治癒の足場となり、自家骨に似た骨補填材としての有用性を示してきた。このHAファイバーを利用し、近年、骨代謝に重要であると着目されている「マグネシウム」を修飾することで期待される「骨再生促進効果」を、臨床使用を想定した動物モデル(①ウサギ頭蓋骨欠損モデルにおける骨組織再生、②ウサギ頭蓋骨垂直造成モデルにおける硬組織再生)を用いて検討する。最終的には、得られた結果から、有効性、安全性の評価を十分に行い、既存の材料に代わる新たな次世代骨補填材としての確立を検討する方針である。 本年は、HAファイバーの作成、調整を行い、細胞培養による評価を行っている。付加するマグネシウム量の比較検討を行っている。また、HAファイバー作成時の焼成温度調整についても継続的に検討を続けており、移植処置時の、よりよいハンドリング、賦形性、より促進的な骨再生をもたらす条件の検討も継続して行っている。 細胞培養系においては、骨髄間葉系細胞を、マグネシウム修飾したHAファイバーおよび骨誘導培地にて、骨代謝にかかわるシグナル分子をリアルタイムPCRにて定量的に評価を行っている。また、併せて垂直造成モデルによる動物実験を行っており、評価検討を行っている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
HAファイバーを調整し、HAファイバー単体および異なる組成のマグネシウム修飾した材料を用い、細胞培養による反応の観察を行っている。 また、マグネシウム修飾した材料を埋植した動物実験も行い、評価検討を行っているため、おおむね順調に進展していると判断した。
|
今後の研究の推進方策 |
細胞培養系による結果を評価しながら、併せて動物モデルによる骨再生能に関する評価を組織学的、放射線学的に定量を行いながら検討を随時進めていく。
|
次年度使用額が生じた理由 |
細胞培養系および動物実験を平行して行っているが、細胞培養系において、多様な修飾および焼成をおこなった材料を比較検討しており、より良好な結果が得られる見込みのある材料のみを動物実験に移行して研究を遂行しているため。
|
次年度使用額の使用計画 |
良好な結果が得られる見込みのある材料について、拡充した動物実験を行い、使用する計画としている。
|