近年、摂食嚥下障害に関する認識が広まりつつある。舌癌患者においては食塊を形成し、咽頭へ送り込む舌を切除するため、摂食嚥下障害に直結する。今回、舌根と接触し嚥下圧を発生させる咽頭後壁が術後は代償性に突出するのではないか、という仮説を検証するため、ビデオ嚥下造影検査(VFSS)を施行した。当科で舌半側切除術以上の術式を行いVFSSを実施した58例中56例は経口摂取が可能であった。2例は胃瘻を造設したが、嚥下訓練により経口摂取が可能となった。本研究で咽頭後壁に代償性変化を認めた症例は確認できなかった。
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