研究課題
本研究の目的は口腔癌の手術後におこる発話障害患者のために,障害のある発話を入力すると瞬時に音声が修飾され,正常に近い発話となって出力されるツール,すなわち口腔癌術後患者のための発話支援ツールを作成することである.2011 年度の科学研究費若手(B)の助成により行われたコンピュータによる患者音声分析の結果をもとに,多くの口腔癌術後患者が不得手とする電話での会話を支援するアプリケーションを作成して携帯電話に搭載する計画である.現在の進捗状況は順調で,株式会社アニモの協力のもと,口腔癌術後患者の発話支援ツールの開発を行った.これまでに行われた会話明瞭度自動検査システムVer.1.0.0.4 による研究結果,ナゾメーターによる研究結果,心理音響測定による研究結果を元に,障害のある発話を正常に近づけるための演算プログラムを作製した.現在動作確認を行い,改良点を検討している.またプログラム開発に使用した音声データを各患者の顎模型やX線写真データと関連付けて検討し,声道の形態と発話障害の関連について調べている.また今回この研究を国際的に発展させるべく準備を進めており,フライブルク大学の研究チームと打ち合わせを行なっている.今後口腔癌術後患者の音声に応用し,ツールを使用した際の音声の明瞭度について,再現性,男女,年齢による違いや有歯顎患者と無歯顎患者の違い,顎義歯装着による効果の違いを調べる予定である.
2: おおむね順調に進展している
患者音声の分析結果をもとに発話支援アプリケーションを作成した.予定通りの進捗状況である.
国際共同研究強化により発展させる予定である.
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Journal of Prosthodontics
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