本研究では、障害を受けた末梢神経の再生と血管新生との関係性を明らかにするため、マウスの下歯槽神経切断モデルを用いて、血管内皮細胞増殖因子(VEGF)とその受容体(VEGF-R)の発現パターンを免疫組織学的に検討した。VEGFおよびVEGF-Rは下歯槽神経切断を契機に、再生軸索の伸長に先行して活性化することを明らかにした。また、VEGF中和抗体の投与によるVEGF-VEGFRシグナルの阻害は血管内皮細胞の遊走とその後に続く軸索伸長を抑制した。以上の結果から、神経損傷後にはVEGF-VEGFRシグナルの即時応答がその後の神経再生に重要であることが示唆された。
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