頭頸部扁平上皮癌患者56例の術前後での血清CD109および血清CD44-variant6をELISA法で測定し、各臨床因子との関連を検討した。血清CD109値は、各臨床因子の2群間比較でT3+T4群(腫瘍径が大きいもの)やN1+N2群(リンパ節転移あり)の進行病態で高値を呈し、腫瘍切除やリンパ節郭清により有意に減少した。また、術前血清CD109値の各臨床因子を独立変数とした多変量解析では、「リンパ節転移の有無」が最も影響ある因子として同定された。CD44v6でも同様の解析を行ったところ、Stageの進行と共に有意に減少したものの、術前後の比較や多変量解析では有意な臨床因子は同定されなかった。
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