これまで、Achマウスと血中濃度上昇型CNPトランスジェニックマウスとの交配実験により、CNPの血中濃度上昇により,Achで認められていた,中顔面劣成長や大後頭孔の狭窄は有意に改善することを確認してきた.今年度は特に大後頭孔の狭窄の改善について組織学的な解析をおこなった。 頭蓋骨大後頭孔の大きさは,前後頭骨軟骨結合部(AIOS)後後頭内軟骨結合部(PIOS)の内軟骨性骨化による成長が関与するとされているがAchマウスではAIOSの狭小化とPIOSの早期骨化を認めた.組織学的解析の結果,PIOSで生じていた早期骨化についてはCNPの影響は認めなかったものの,AIOSの内軟骨性骨化の促進を認めた. 生後1日目のAchマウスから採取した後頭骨を器官培養したところ、CNP添加により内軟骨性骨化の促進し、AIOSとPIOSの肥大化層が厚くなり、それによりAIOSとPIOSの幅が厚くなっていた。 このことは、CNPがAIOSとPIOSが骨化するまでに作用することにより大後頭孔の狭窄を改善させたことが考えられた。
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