研究課題/領域番号 |
15K20519
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
平岡 慎一郎 大阪大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (70615616)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 口腔外科 / 免疫 / 栄養 |
研究実績の概要 |
本研究は免疫栄養療法によって、臨床的に体内での免疫賦活作用が誘導増強されるのか解析し、それが口腔外科周術期の創部治癒機構の促進と、治療成績向上に寄与するのかを併せて検討することで、口腔外科疾患における有用な免疫栄養療法の導入を目的としている。我々はまず臨床研究からすすめていき、口腔癌患者における術前の栄養学的指標(modified Glasgow Prognostic Score(mGPS)、Onodera’s prognostic nutritional index)と生命予後との関連を検討した結果、mGPSは、生命予後に関連する因子であることが示唆された。その結果はthe 4th Congress of Asian Society of Head and Neck Oncology (ASHNO)にて発表した。さらにmGPSと術後創部感染(SSI)は関連するかについて検討しているところである。さらに重度熱傷などの集中治療が必要な重症患者に対して開発された高蛋白な経腸栄養剤が、口腔癌周術期に応用しうることを見いだした。 一方in vitroでのアルギニン強化栄養による抗腫瘍免疫応答動態の探索については、至適条件の確立に時間がかかっている。こちらは臨床研究と並行して実施予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
in vitroでの抗腫瘍免疫応答動態の探索については、試適条件の確立に時間がかかっているが、並行して行っている臨床研究では結果も得られているため、初年度についてはおおむね順調な進展状況である。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、口腔外科周術期の免疫栄養療法の検討については症例数を増加させ継続していき、創部治癒との関連をさらに検討する予定である。in vitroでの抗腫瘍免疫応答動態の探索については、条件を変えて継続する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究過程でH27年度はin vitroでの早期の条件確立が得られず、臨床研究に時間を割いたため、当初立案していたよりも物品費の使用割合が少なかった。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度は、今年度で得られた結果を踏まえ、さらに物品を購入し検討する予定のため物品費は予定に近い使用金額になるものと考える。また論文作成する予定であり、英文校正料や投稿料の使用金額が増える見込みである。
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