研究課題
本研究は免疫栄養療法によって、臨床的に体内での免疫賦活作用が誘導増強されるのか解析し、それが口腔外科手術期の創部治癒機構の促進と、治療成績向上に寄与するのかを併せて検討することで、口腔外科疾患における有用な免疫栄養療法の導入を目的としている。我々は臨床的検討からすすめており、口腔がん患者における術前の栄養学的指標(血清アルブミン値とCRPを基に分類したGlasgow Prognostic Score(GPS)のカットオフ値を修正したmodified Glasgow Prognostic Score(mGPS)および、血清アルブミン値(Alb)値と総リンパ球数から算出できる栄養指標であるOnodera’s prognostic nutritional index(PNI))と生命予後の関連を検討した結果、生命予後に関連する因子であることが示唆され、その結果は、The 4th Conference of Asian Society of Head and Neck Oncology(ASHNO)にて発表した。さらにはその栄養学的指標が術後創部感染(SSI)との関連を検討したところ、こちらも関連する因子である可能性が示唆され、その概要を 第32回日本静脈経腸栄養学会学術集会にて発表した。一方実際に適切な栄養療法が実施されているかを確認するため、詳細な体組成の計測が必要となり部位別直接インピーダンス測定法(DSM-BIA)の計測可能な器材を導入し、臨床的検討を追加しているところである。
3: やや遅れている
研究遂行に際して、免疫栄養療法実施時の体組成の計測が必要となり、部位別直接インピーダンス測定法(DSM-BIA)の計測可能な器材を追加で導入した。現在臨床データ取得のための検討を追加で行っているため遅れている。
引き続き、口腔外科周術期の免疫栄養療法の検討について、症例数を増加させた上で、追加のデータを取得し、解析を行っていく予定である。その結果が得られ次第、欧米の学術雑誌での発表のため投稿を行う予定である。
研究遂行に際して、免疫栄養療法実施時の体組成の計測が必要となり、部位滅直接インピーダンス測定法(DSM-BIA)の計測可能な器材を導入したが、追加データ取得のための検討を継続しているため、発表にかかる経費を次年度に持ち越す運びとなった。
追加データ取得のための検討継続の費用と、研究をまとめ論文投稿の際に発生する英文校正料及び投稿料、掲載料に使用すると共に、学会発表のための費用に充てる予定である。
すべて 2017 2016
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (7件) (うち招待講演 1件) 図書 (1件)
Journal of Oral and Maxillofacial Surgery, Medicine, and Pathology
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