研究課題/領域番号 |
15K20528
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
藤田 麻里子 岡山大学, 大学病院, 助教 (90714535)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | アービタックス / 口腔癌 / PIK3CA |
研究実績の概要 |
平成28年度には体制獲得株担癌マウスモデルを対象に、PI3K阻害剤とアービタックス併用投与による耐性解除効果の検討を行う予定となっていたが、平成27年度の研究計画が完了できていない状態である。現在、前年度から引き続き、ヒト由来口腔癌細胞株であるHSC4、HSC3、HSC2、SAS、Hep2、HO-1-u-1、Ca9-22の培養を行い、in vitroでのアービタックス感受性の検討としてMTTアッセイを行い、非感受性株、感受性株の選定を行っている。また、上記ヒト由来口腔癌細胞株(HSC4、HSC3、HSC2、SAS、Hep2、HO-1-u-1、Ca9-22)を培養下にて、培養液中にアービタックスを添加し、アービタックスの濃度を漸増し、アービタックス耐性を獲得させ、耐性獲得株の樹立を試みている。 また、in vivoでの検討として、上記ヒト由来口腔癌細胞株の培養を行い、マウスへの担癌移植の可否を検討している。HSC4、HSC3、HSC2、SAS、Hep2、HO-1-u-1においては担癌可能であったが、Ca9-22については、背部皮下への生着が困難であり、HSC4、HSC3、HSC2、SAS、Hep2、HO-1-u-1株の6株でも生着に苦慮した。 現在PKI587(AdooQ Bioscience社)、PI3K阻害剤、NVP-BEZ235(AdipoGen社 C30H23N5O) を購入、口腔癌細胞株6株について至適濃度をMTTアッセイならびにコロニー形成法にて検討中である。 なお、口腔癌細胞株6株に対し、PKI587、PI3K阻害剤、NVP-BEZ235を投与し、至適濃度を検討中であるが、Ca9-22株については阻害剤に対する高感受性を示し、PI3K活性の検討および遺伝子変異について検討する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初平成27年度の研究計画として、1:ヒト由来口腔癌細胞株を用いた、アービタックス耐性獲得株の樹立 2:耐性獲得株を対象に、in vitroでPI3K阻害剤(BEZ235、PKI-587)とアービタックス併用投与し、耐性解除効果の検討 3:耐性獲得口腔癌細胞株担癌マウスモデルの作製 を予定しており、平成28年度には体制獲得株担癌マウスモデルを対象に、PI3K阻害剤とアービタックス併用投与による耐性解除効果の検討を行う予定となっていたが、耐性獲得口腔癌細胞株担癌マウスモデルの作製ができていないため、当初の研究予定からはやや遅れている。平成27年度に、口腔癌細胞株7株におけるアービタックス感受性はMTTアッセイを用いてほぼ分別完了しており、上記細胞株のうちアービックス感受性株を中心にアービックス耐性獲得株の樹立を試みているが、投与濃度の検討の段階で、調整に苦慮している状況にある。
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今後の研究の推進方策 |
平成27年度に予定していた、1:ヒト由来口腔癌細胞株を用いた、アービタックス耐性獲得株の樹立 2:耐性獲得株を対象に、in vitroでPI3K阻害剤(BEZ235、PKI-587)とアービタックス併用投与し、耐性解除効果の検討 3:耐性獲得口腔癌細胞株担癌マウスモデルの作製 に苦慮しているため、早期にこれらを行うとともに、平成28年度、29年度に予定していた研究についても追いつくよう文献検索を行い、対応を急ぐ。 状況の改善のため、さらなる文献検索を行うとともに、研究協力者である長塚仁(岡山大学医歯薬学総合研究科口腔病理学分野)に指示をあおぎ、研究を進めていくこととする。
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次年度使用額が生じた理由 |
申請者の所属する施設における設備、消耗品の在庫などを全面的に利用する事が出来たため、当初の見積もりを下回る消耗品支出となっている。
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次年度使用額の使用計画 |
残額は次年度に繰り越し、マウスモデルへの予算配分割合を上げる予定である。
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