研究実績の概要 |
子宮頸部腺癌細胞株SiSoから同定されたReceptor-binding cancer antigen expressed on SiSo cells (RCAS1) は,発現動態として細胞膜表面型と分泌型が存在する癌関連抗原である,臨床的には,RCAS1は子宮頸癌をはじめとする15種類の悪性腫瘍で発現し,いくつかの癌においてリンパ節転移等の臨床病理学的因子と相関を示すことが報告されている.申請者らは、RCAS1 が口腔扁平上皮癌( OSCC )細胞において発現しており、特に高転移能を有する OSCC 細胞において有意に強く発現している結果から、RCAS1 は OSCC の転移能に関与している可能性を見い出した。そこで、予備実験において RCAS1 を最も強く発現していた高転移株 SQUU-B に対して RCAS1 siRNAの遺伝子導入を行い.この細胞を使用して RCAS1 の発現が, OSCC の転移能に及ぼす影響について検討を行った。RCAS1 を最も強く発現していた高転移株 SQUU-B に対して、リポフェクション法を用いて RCAS1 siRNA の導入を行い RCAS1 ノックダウン株を作製した。作製したRCAS1ノックダウン株とSQUU-B株を用いて、リンパ節転移の機能因子の一つである細胞遊走能についての検討を行うため、wound healing assay を用いて遊走能の解析を行った。RCAS1ノックダウン株において細胞遊走能は減弱していたことから、RCAS1の発現の細胞遊走能に関連がある可能性が示唆された。
|