RCAS1 はこれまでに15種類での悪性腫瘍での発現しており、癌の予後に関連の高いリンパ節転移に対しても相関を示す腫瘍関連抗原であることが報告されている。発現動態として細胞膜に発現する膜型の他に、細胞外に分離される分泌型が存在することが判っている。本研究では口腔癌由来細胞株においてもRCAS1は分泌型として発現しており、また高転移株において多く発現していることが判った。さらにRCAS1の発現は、癌のリンパ節転移に関わる因子の一つである遊走能に影響を及ぼしていることが判った。以上のことから、口腔癌のリンパ節転移に関して、RCAS1の作用を制御する必要性が明らかとなった。
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