研究実績の概要 |
組織再建を伴う悪性腫瘍切除手術で、手術時間8時間以上の患者を対象とし、血糖値管理群(GI群)、血糖値非管理群(C群)の2群に分けた(GI群:1例、C群:5例)。GI群では細胞外液補充液500mLあたりグルコース10gを加え投与し、速効型インスリン1~4u/hを持続投与した。C群では、グルコースを含まない、または1%(W/V)グルコースを含む細胞外液補充液を使用し血糖値80~120mg/dLを目標に管理し、血糖値が200mg/dLを超えたときのみ速効型インスリンを単回投与した。術前~術後の採血データから、WBC数、CRP、TP、Alb、血清Cre、BUN、eGFR、IL-1β、IL-6、TNF-α値、体温、術後合併症を記録した。3例では酸化ストレス測定(d-ROM)と抗酸化力測定(BAP)を行った。WBC数、CPRは術後上昇し、TP、Albは低下した。IL-1βはGI群では術中0.125pg/mL、術後4日で0.967pg/mLで、C群では術中平均0.159pg/mL,標準偏差0.047、術後1-4日の平均0.293pg/mL,標準偏差0.164、術後8日の平均0.240pg/mL、標準偏差0.178であった。IL-6はGI群では術中7.840pg/mL、術後4日で49.50pg/mLで、C群では術中平均5.004pg/mL,標準偏差3.490、術後1-4日の平均277.040pg/mL,標準偏差422.806、術後8日の平均15.668pg/mL、標準偏差8.516であり、術後大幅に上昇する例が多かった。TNF-αはGI群では術中1.860pg/mL、術後4日で3.030pg/mLで、C群では術中平均2.500pg/mL,標準偏差2.012、術後1-4日の平均2.532pg/mL,標準偏差1.486、術後8日の平均1.980pg/mL、標準偏差0.828であった。
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