研究課題
ビスフォスフォネート系製剤(BP)やヒト型モノクロナール抗体製剤(デノスマブ)を代表とする骨吸収抑制剤によって起こる薬剤関連 顎骨壊死medication-related osteonecrosis of the jaw (MRONJ)は現在深刻な問題となっており、侵襲的歯科治療時の休薬の設定に関する科学的根拠は皆無である。本研究の目的は顎骨内に蓄積された骨吸収抑制剤をマトリックス支援レーザー脱離イオン化飛行時間質量分析計を用いて定量的に計測することにより、骨代謝による蓄積量の変化から治療前の休薬を検討し、MRONJの発症予防となる治 療戦略を構築するための基礎的研究である。 本研究は、ラットを用いてBP(ゾレドロネート)と免疫グロブリン結晶化フラグメント結合オステオプロテゲリン(OPG-Fc:デノスマブ の代替)を投与し、顎骨および全身骨(頭蓋骨、大腿骨、脊椎骨)を採取する。それらにおける蓄積量をMALDI-TOFMSを用いて検討する 。また従来から行われている骨質評価(BMD・骨微細構造)および全身の骨代謝(骨代謝マーカー)との比較検討を行う。 1.投与期間による骨の1蓄積量の変化2骨質の評価(BMD・骨微細構造)および骨代謝マーカー発現の比較検討をin vivoで検証2.休薬後 の骨における製剤代謝能のin vivoの検証3.顎骨と全身骨の相違をex vivoで検証 →1.2.より骨における骨吸収抑制剤の蓄積量および代謝能in vivoで解明する。また3.よりex vivoで器官特異的な薬剤の取り込みを解明し、科学的根拠のある休薬を検討する。
4: 遅れている
勤務異動に伴い研究が滞っている状態である。
動物実験の早期開始とともに同様の内容の臨床研究も行えるよう計画している。
動物実験による研究が滞ってしまったため
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日本顎顔面インプラント学会誌
巻: 16 ページ: 33-37