研究課題
本研究は,今後更なる患者数の増加が見込まれている認知症に着目し,患者個人への支援および予防対策のために,認知症の早期診断や病態のモニタリングが必要であることから,認知症患者における認知機能障害の病態と唾液成分変化との関連性を科学的に明らかにし,メタボローム解析による唾液を用いた認知機能障害の新規診断・評価法の開発を目標とするものである.前年度までにマウスにおける検討で得られた知見より,平成28年度においては,認知症患者における唾液成分に検討を行った.介護施設2施設での唾液採取を完了し,現在メタボローム解析を行い,複数の代謝産物の変動が確認できており,その中で認知症の病態スコアと関連性のあつものについて検討を行っているところである.また,前年度において再検討が必要であったアルツハイマー型認知症モデルマウスの検討も同時に実施している.既に得られている脳血管性モデルマウスの結果は,第58回歯科基礎医学会学術大会および第51回神奈川歯科大学総会において報告し,現在論文執筆中である.
2: おおむね順調に進展している
介護施設2施設における唾液採取は既に完了しており,現在メタボローム解析を行い,複数の代謝産物において変動がみられている.その中で現在,認知症の病態スコアとの関連性について検討を行っているところである.これらの結果から,平成28年度中の計画は概ね予定通り進行している.
マウス及びヒトの唾液中で認知機能障害により変動が確認できた物質から,病態スコアと関連があるものを検討し,検出キットの作製へ繋げる予定である.
唾液採取関連器具にかかる費用が当初の予定よりも少なく済んだため.
唾液検査キットに必要な消耗品に充てる.
すべて 2016
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件)
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